写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里
MotoGP第6戦フランスGP
5月9日~11日/フランス ル・マン-ブガッティ・サーキット
フランスGPはスペインGPと同じタイヤアロケーション
ピレリは、フランスGPに前戦スペインGPと同じタイヤをアロケーションしました。Moto2クラスとしては、リヤのスーパーソフトであるSCX、そして開発仕様からスタンダードタイヤとなった、ソフトのSC0が投入されています。
決勝レースが行われた日曜日の朝は雨が降りましたが、Moto3、Moto2クラスともに、全ライダーがスリックタイヤを選択して戦いました。
Moto3:古里太陽6位、山中琉聖は接触により転倒リタイア
Moto3クラスの古里太陽(ホンダ・チームアジア)は、11番手からスタートして6位でゴールしました。古里は5番手をトップとする集団でポジションを争っていましたが、接触や自身のミスもあり、何度かポジションを下げては順位を回復する展開でした。
「何事もなくレースが進めば、前(もっと上位)で走ることはできるかな、とは思っていたんですが。悔しいというか……、あまり納得のいく結果ではないなとは思います」
古里は、言葉少なに、そうレースを振り返っていました。
また、山中琉聖(フリンサ-MTヘルメット-MSI)は、12番手からスタートし、2周目の6コーナーで他車に接触され、転倒リタイアとなりました。けがはありませんでしたが、不完全燃焼のレースとなりました。
「(6コーナーで)少しはらんだとき、内側に入ってきたライダーと接触してそのまま転倒しました。当たってきたライダーの意思は分からないですけど、ボクがはらんだところに強引に入ってきたように思います。予選で12番手だったので仕方がない部分もありますけど、ボクがはらんだのが悪かったのかなと思います」
山中は気持ちを抑えるように淡々と語っていました。
今季、随所で速さを見せているMoto3の2人ではあるものの、フランスGPは、状況や結果は違えど、思うような週末にはなりませんでした。
Moto2:佐々木歩夢、國井勇輝ともに苦戦のうちにル・マンを終える
Moto2クラスでは、佐々木歩夢(RW-イドロフォーリャ・レーシングGP)が20位、國井勇輝(イデミツ・ホンダチームアジア)が22位でゴールしています。
佐々木は前戦、前々戦を転倒で終えていたことから、今回は完走を優先したのだそうです。
「スタートからフロントのフィーリングが悪く、進入でどう走ったらいいか分からなかったです。コンディション的に、グリップが悪かったことも影響しました。今回は完走しなければ、と思って走ったのがこの順位です。悔しいですけど、完走したことでデータをチームに持って帰ってこられたので、セットアップを見直してもらおうと思います」
前戦のスペインGPをポイント獲得に迫る16位で終えた國井は、今回はMoto2で初めて走るル・マンに苦しみました。Moto3では経験のあるル・マンですが、Moto2マシンでは「初めて走るサーキット」のようだったと言います。
「昨日はトップとのタイム差も縮められたので、今日はそれをさらによくしたかったのですが、うまくいかなかったです。今日のレースでは、序盤は(前日から)後退して、中盤から元に戻った感じですね。自分がしたかったレースにはなりませんでしたが、中盤から後半にかけて、いいフィーリングを確かめられたので、そこはよかったところです」
フランスGP後、Moto3クラスは5月12日、Moto2クラスは5月13日にル・マン-ブガッティ・サーキットに残って公式テストを行い、次戦へと向かいます。
MotoGP第7戦GPはイギリス、イギリスのシルバーストン・サーキットで5月23日から25日にかけて行われます。