ロードレース世界選手権Moto2/Moto3第18戦オーストラリアGPが、10月23日から25日にかけてフィリップアイランド・サーキットで開催されました。しかし、決勝日の25日は悪天候による視界不良が続き、両クラスともレースは中止に。2027年からオーストラリアGPの開催地がアデレードへ移るため、フィリップアイランドでの最後の大会は、予選までの走行をもって終了しました。

悪天候によりMoto2/Moto3決勝が中止

決勝が予定されていた10月25日、フィリップアイランドは雨と強風に見舞われ、視界の悪い状態が続きました。大会運営側は天候の回復を待ちながらスケジュールを調整しましたが、医療ヘリコプターの安全な運航を確保できず、Moto3、Moto2の順に決勝中止が決定。その後、MotoGPクラスの決勝も中止となりました。

サーキットでの走行が可能かどうかだけでなく、事故が発生した際にライダーを医療機関へ搬送できる体制を確保する必要があり、安全面を優先した判断となりました。

フィリップアイランドは長年にわたりオーストラリアGPの開催地となってきましたが、2027年からはアデレードの市街地コースへ開催地が変更される予定です。最後の大会で決勝レースが行われなかったことは残念な結果となりましたが、金曜と土曜には各クラスで接戦の予選が繰り広げられました。

Moto2:古里太陽が予選11番手、ゴンザレスがポールポジション

古里太陽、佐々木歩夢の予選結果

Moto2の古里太陽(IDEMITSU Honda Team Asia)は、予選Q2で1分30秒344を記録し、11番手を獲得しました。ポールポジションとの差はわずか0.222秒。上位のタイムが非常に接近した予選で、4列目のグリッドを確保しています。

土曜日の午前中は雨によりウェットコンディションとなりましたが、午後の予選では路面が乾き、風向きや気温も変化しました。古里は異なるコンディションへの対応を進めながら、週末を通じてマシンの状態を改善。予選後には、ウェットでもドライでも感触は悪くなく、前進できたことに手応えを示していました。

一方で、予選のアタックには改善の余地があったと振り返っています。タイム差が小さいだけに、わずかな更新でもグリッド順位が大きく変わる状況でした。

古里は決勝で好スタートを決め、前方の集団についていくことを目指していました。チームの青山博一監督も、古里とチームメートのマリオ・スリョ・アジがドライ、ウェットの双方で良好なペースを示していたことから、決勝に期待していたとコメントしています。

佐々木歩夢(Momoven Idrofoglia RW Racing Team)は、Moto2予選Q2に進出し、1分30秒495で15番手となりました。

ポールポジションとの差は0.373秒。古里と同様に、上位から中団までのタイム差が小さい予選の中で、5列目のグリッドを確保しました。

ゴンザレスがポール獲得、タイトル争いは持ち越し

Moto2の予選では、マヌエル・ゴンザレス(LIQUI MOLY Dynavolt Intact GP)が1分30秒122を記録し、ポールポジションを獲得しました。

2番手には0.106秒差でバリー・バルタス、3番手には0.115秒差でフィリップ・サラックが続き、フロントローを確保。タイトルを争うイサン・グエバラは、ゴンザレスから0.155秒差の6番手となりました。

ゴンザレスとグエバラの選手権ポイント差は5.5点。予選ではゴンザレスが先行したものの、決勝中止によってポイント差は変わらず、タイトル争いは次戦以降に持ち越されました。

Moto3:山中琉聖が予選17番手、プラタマが初ポール

山中琉聖、三谷然の予選結果

Moto3の山中琉聖(AEON Credit-MT Helmets-MSI)はQ2に進出し、1分36秒850で17番手となりました。

土曜日の予選は、午前中のウェットコンディションから路面状況が変化する中で行われました。Q2ではトップのベダ・プラタマから1.551秒差となり、6列目のグリッドを獲得しています。

三谷然(Honda Team Asia)は、Moto3予選Q1で1分37秒100を記録。セッション8番手となり、Q2進出を逃しました。

Q1ではグイド・ピーニが1分36秒261でトップタイムを記録し、上位4選手がQ2へ進出。三谷は通過ラインとなった4番手のベダ・プラタマから0.717秒差でした。予選総合では22番手となり、8列目のグリッドを獲得しました。

プラタマがインドネシア人初のポールポジション

Moto3の予選では、ベダ・プラタマ(Honda Team Asia)が1分35秒299を記録し、自身初のポールポジションを獲得しました。インドネシア人ライダーとしても、Moto3クラス初のポールポジションとなります。

2番手は選手権リーダーのマキシモ・キレスで、その差はわずか0.021秒。地元オーストラリアのジョエル・ケルソが0.067秒差の3番手に入り、フロントローを確保しました。

ケルソはQ2でトップタイムを記録していましたが、終盤のアタック中に他車との接触が発生。最終的にはプラタマがトップに立ち、キレスが2番手に続く結果となりました。

ピレリ、Moto2に新型リアタイヤ「F0604」を投入

ピレリは今回、Moto2に新開発のハードリアタイヤ「F0604」を投入しました。高速コーナーが多く、タイヤへの負荷が大きいフィリップアイランドに向けて、耐摩耗性の向上を目的に開発された仕様です。

Moto2のリアにはF0604とミディアムのD0922を用意。D0922は前年の決勝で全ライダーが使用した仕様で、F0604はその耐摩耗性をさらに高めることを目指しています。新仕様の評価機会を確保するため、リアスリックの供給本数も通常の9本から10本に増やされました。フロントはソフトSC1とミディアムSC2の2種類です。

Moto3には、フロントにSC1とSC2、リアにミディアムSC2と開発仕様のハードC1096を供給しました。F0604の評価は予選までの走行に限られ、レース距離を通じた耐摩耗性や性能の持続性は検証されていません。

次戦のマレーシアGPは、10月30日から11月1日にかけてセパン・インターナショナル・サーキットで開催されます。

古里にとってセパンは、2025年のMoto3で優勝を飾ったサーキットです。今回の予選で得た手応えを、次戦の決勝結果につなげられるかが注目されます。