写真:楠堂亜紀

2025年全日本モトクロス選手権 Rd.2 SUGO大会

・開催場所:スポーツランドSUGO(宮城県)
・開催日:2025年4月26日(土)・27日(日)
・天候:晴れ
・最高気温:25℃
・コースコンディション:ドライ

4月に開幕した2025年の全日本モトクロス選手権シリーズは、全7戦のスケジュール。その第2戦が、4月26日(土)~27日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。ピレリは今季、ワールドスペックの新製品となるSCORPION™ MX32™ MID SOFTを日本にも導入。「Yogibo PIRELLI マウンテンライダーズ」から参戦するIA1クラスの内田篤基選手(#10)、IA2クラスの松木悠選手(#34)と今岡駿太選手(#35)、レディースクラスの松木紗子選手(#10)、IBオープンクラスの島袋樹巳選手(#2)に、マディやサンドに最適なSCORPION™ MX Softのリヤタイヤとともに供給します。

また今大会には、ホンダのサポートにより「Astra Honda Racing Team」からインドネシアのムハンマド・アルセニオ・アルギファリ選手(#54)がスポット参戦。予選で転倒して決勝リザーブライダー扱いとなったアルギファリ選手は、ヒート2のみ出場して26位でした。

SUGOのインターナショナルモトクロスコースは、山の斜面に設けられており、アップ&ダウンに富むレイアウト。路面は粘土質に近く、乾いて締まるとかなりハードパックになる傾向です。今大会は土日とも天候に恵まれ、日曜日は晴れで気温も上昇。散水作業が追いつかず、とくに午後はハード路面でのレースとなりました。

IA1クラス

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全日本最高峰となるIA1クラスの決勝は30分+1周の2ヒート制で競われました。そのヒート1では、ピレリタイヤの高いグリップ力を活かした内田篤基選手(#10)がスタート直後に2番手。内田選手は、オープニングラップの途中で横山遥希選手をパスして先頭に立つと、2周目に再逆転を許すも、離されることなく横山選手を僅差でマークしました。

しかし4周目以降、内田選手は1周につきコンマ数秒単位で横山選手にリードを広げられ、7周目にはジェイ・ウィルソン選手に抜かれて3番手に後退。レース後半、後続の2台と表彰台を賭けたバトルを繰り広げた内田選手は、12周目まで順位を死守しました。しかし13~14周目にライバルたちの先行を許し、16周のレースを内田選手は5位でゴールしました。

決勝ヒート2では、さらなる上位を狙った内田選手にアクシデントが発生。スタート直後には5番手の好位置につけたものの、オープニングラップの中盤で転倒を喫してしまいました。後続が勢いよく突進してくるセクションだったことから、内田選手は一度退避し、ほぼすべてのライダーが通過してから再スタート。1周目を22番手でクリアしました。

路面の乾燥により前走車が巻きあげた土ボコリが多く舞う厳しい状況の中、内田選手は追い上げを続け、4周目には15番手まで浮上。さらに、7周目には12番手までポジションを回復しました。しかしこの段階で、11番手とはすでに約10秒差。これにより内田選手の追い上げは止まり、再び16周でチェッカーとなったレースを内田選手は12位で終えました。

IA2クラス

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IA2クラスも、決勝は30分+1周の2ヒート制。そのヒート1では、今岡駿太選手(#35)が12番手、松木悠選手(#34)が13番手で1周目をクリアしました。レース序盤、松木選手は集団に飲み込まれて18番手。今岡選手も5周目に14番手まで後退したものの、こちらは9番手争いの集団にとどまりました。そして、レース中盤に順位を上げた今岡選手は12位でゴール。松木選手は18位でした。

決勝ヒート2では、今岡選手がスタート直後に4番手と好スタート。ところが今岡選手は1周目に転倒し、21番手まで順位を下げました。ここから、3周目には15番手まで順位を回復した今岡選手でしたが、5周目に再びクラッシュ。これにより今岡選手はリタイアに終わりました。一方、松木選手は1周目12番手。レース序盤に順位を下げましたが、中盤には接戦の中で奮闘し、16位でゴールしました。

レディースクラス

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レディースクラスは、各戦で15分+1周の決勝を1レース実施。開幕戦では好スタートを決めた松木紗子選手(#10)でしたが、この第2戦の決勝では大きく出遅れ、1周目を9番手でクリア。3周目には5番手争いを繰り広げる4台の集団に追いつき、5周目には8番手に浮上しました。しかしラスト2周となった7周目に順位を落とし、松木選手は10位でレースを終えました。

IBオープンクラス

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島袋樹巳選手(#2)は、予選を総合3位でクリア。しかし決勝ヒート1では、スタート直後に出走30台中のほぼ半数がクラッシュし、島袋選手も巻き込まれて13番手と出遅れました。レース中盤、島袋選手は6台が連なる5番手争いに加わるも、スタート直後のアクシデントでフロントブレーキホースを失っており、追い上げが効かず10位に終わりました。

決勝ヒート2でも、島袋選手はスタート直後に12~13番手と出遅れましたが、1周目を7番手でクリアすると、翌周には5番手に。3周目に上位の2台が転倒して3番手に上がると、2番手の選手を僅差でマークしました。そして7周目に2番手浮上。この段階でトップは約15秒先行しており、島袋選手は最後まで後続を抑えて2位となりました。


IA1・内田篤基選手のコメント

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「ヒート1は、開幕戦のトップ2にパスされてからも、彼らのラインを研究しながらついていこうと試みました。しかし、久々にトップを走ったことでカタくなってしまい、その影響もあり途中から腕上がりの症状が酷く、ペースを上げられませんでした。ヒート2は1周目に転倒。後続が勢いよく突っ込んでくる場所だったため、なかなか復帰できず、その後もペースがつかめず不本意な結果に終わりました。今大会は、いつもの全日本SUGOと比べても路面がカタく、練習を含めてこういうコンディションでMX32™ MID SOFTを使用するのは今回が初。コントロール性に関しては、マシン側のセッティングなどでもう少しアジャストしていきたいと感じました。一方、昨年と比べてスタートは圧倒的に好調。これはタイヤのグリップ力によるところも大きく、確実にアドバンテージとなります」

IA2・松木悠選手のコメント

「ヒート1は、序盤から中盤にかけてまるでペースが上がらず、終盤になって少し改善。ヒート2もほぼ同様で、プッシュするのが遅すぎました。今回の路面は攻略が本当に難しく、ライダーとして引き出しの少なさを痛感していますが、MX32™ MID SOFTがハードパックでも機能することは確認できました。ワイドレンジで、タイヤ選択に悩まずレースに挑めるのはメリットだと思います」

IA2・今岡駿太選手のコメント

「結果的にはリタイアでしたが、決勝ヒート2では昨年と比べていいスタートを切ることができました。今大会は路面がかなり硬く、その上に散水された区間は当然ながら滑りましたが、それ以外のハードパック路面では、MX32™ MID SOFTでもしっかりグリップして、路面を掻いてくれました。ハード路面でもいい印象を得られたので、今後のレースにつなげたいです」

レディース・紗子選手のコメント

「スタートでもたついて出遅れ、序盤はリズムがつかめず苦しい展開。とくにジャンプセクションで離され、厳しいレースになってしまいました。でもMX32™ MID SOFTは、決勝中の硬い路面でも前に進む感じがありました。タイヤについてはいいイメージしかないので、あとは自分がミスせずスタートを決め、次戦は上のほうでレースをします」

IBオープン・島袋樹巳選手のコメント

「IBオープンクラスの決勝は、ヒート1が土曜日の夕方、ヒート2が日曜日の朝で、ヒート1はコース全体がハードパックで、ヒート2はこれと比べたら水分を含み多少は柔らかい感じでした。しかしどちらの路面も、MX32™ MID SOFTは十分なグリップを発揮してくれました。両ヒートともスタートの出遅れが響きましたが、タイヤへの信頼はより深まりました」

小橋雅也監督のコメント

「IA1の内田篤基は、ヒート1の序盤で少し力みすぎてしまいました。ヒート2はセットアップを変更して挑みましたが、1周目の転倒によりその成果を確認できないまま終わってしまいました。次戦に向け、気持ちを切り替えて臨みます。IA2でもヒート2の序盤に今岡駿太が転倒するなど、今大会は難しいハードパックの路面に翻弄された部分もありますが、これはタイヤの性能というより、ライダーの技量によるところが大きいと感じています。今回得られたハードパックでの実戦データを、今後のレースにつなげていきます」



『Yogibo pirelli マウンテンライダーズ』公式HP
https://www.mountainriders.jp/

ピレリ - 『New SCORPION™ MX32™ MID SOFT』
https://www.pirelli.com/tyres/ja-jp/motorcycle/catalog/product/scorpion-mx-32-mid-soft-new